相続時に請求できる寄与分とは?認められる要件と特別寄与料を解説

相続時に請求できる寄与分とは?認められる要件と特別寄与料を解説

この記事のハイライト
●寄与分とは被相続人の財産の増加もしくは維持に貢献した方が法定相続分以上の財産をプラスすることができる制度
●寄与分が認められる要件には対価なしで寄与行為をおこなっていることや継続して貢献していることなどがある
●特別な寄与行為をおこなった相続人以外の親族に対して特別寄与料が認められる

被相続人を献身的に介護してきた方なら、法定相続分どおりに遺産を分けると納得できないこともあるでしょう。
そのような場合に、寄与した行為に対して相続分がプラスされる制度があります。
そこで、今回は相続時の寄与分とはなにか、認められる要件と特別寄与料についても解説します。
高知市、南国市、香南市、香美市、土佐市で不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。

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相続時に請求できる寄与分とは?

相続時に請求できる寄与分とは?

被相続人の生前に、被相続人に特別に貢献していた場合「寄与分」が請求できることがあります。
ここでは、相続時に請求できる寄与分とはなにか、また、寄与分がある場合の遺産分割の計算方法について解説します。

寄与分とは

寄与分とは、被相続人が亡くなる前に被相続人の財産の増加もしくは維持に貢献した方が、法定相続分以上の財産をプラスすることができる制度です。
たとえば、親の仕事を無給でサポートしてきた場合や、寝たきりの親を介護・看護してきた場合などに寄与分が認められることがあります。
このような献身的なサポートをおこなったにも拘わらず、法定相続分で遺産分割をしてしまうと不公平と感じてしまうでしょう。
被相続人の生前に財産の増加もしくは維持に貢献した方のために、そのおこないが報われるように設けられた制度です。
ただし認められるためには、自らがほかの相続人へ請求する必要があるため注意しましょう。
なお、話し合いがまとまらない場合は、裁判所へ申し立てをし調停や審判を利用する方法もあります。

寄与分がある場合の計算方法

寄与分が認められた場合は、相続財産から寄与分を差し引き残った財産を法定相続分として遺産分割することになります。
たとえば、相続人が長男と長女で相続財産が3,000万円、長女が寄与分を主張し500万円が認められたと仮定しましょう。
このケースの場合は、相続財産から寄与分を差し引いた差額の2,500万円が法定相続分となり、この金額を基に遺産分割協議をおこなうことになります。
子どもの法定相続分はそれぞれが2分の1なので、1人分は2,500万円×2分の1=1,250万円です。
この場合、長男は1,250万円を相続し、長女は1,250万円+寄与分500万円を相続することになります。
このように、寄与分が認められた場合は相続財産から差し引いて遺産分割がおこなわれる点に注意しましょう。

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相続時に寄与分が認められる要件とは

相続時に寄与分が認められる要件とは

続いて、寄与分が認められる要件について解説します。

寄与分が認められる5つの要件

寄与分として認められるには、以下の5つを満たす必要があります。
①相続人であること
寄与分が請求できるのは、原則として相続人のみです。
そのため、いくら親しい友人が被相続人に資金援助などをしていても、請求は認められません。
ただし、相続人の妻の場合、介護など献身的にサポートしていたことが認められれば、請求できることもあります。
②財産の維持または増加に貢献していた
寄与分は、被相続人の財産の増加や維持に貢献した場合に認められるため、これらの要件に当てはまらなければ対象外となるため注意が必要です。
たとえば、長期間の介護により医療費などを抑えられ、結果的に財産の維持につながったようなケースです。
このような場合は、介護していた様子がわかる日記や資料などがあるとよいでしょう。
③期待される以上の特別な寄与行為をおこなった
食事の準備や身の回りの世話、病院への送迎などの一般的な貢献ではなく、期待される以上の特別な寄与行為をおこなったかどうかも要件の1つです。
ただし、明確な基準はないため相続人に認めてもらえないケースもあります。
④対価を得ていないこと
寄与分が認められるには、寄与行為に対して対価を得ていないことも要件になります。
どんなに期待以上の貢献をしていたとしても、お金をもらっていた場合は対象外になります。
⑤継続しておこなっていた
短期間ではなく、一定期間継続しておこなっていたかどうかもポイントになります。
ただし、こちらも明確な基準はないため、相続人同士で話し合って決めることになります。

寄与分の5つの型

寄与分として請求できる行為は、以下の5つの型に分類されます。

  • 家事従事型:被相続人の事業の手伝いに貢献した
  • 金銭出資型:不動産の購入費用や事業費用を出資した
  • 療養看護型:継続して被相続人の介護をしていた
  • 扶養型:被相続人の生活費を負担し財産の維持に貢献した
  • 財産管理型:被相続人の財産を管理していた

上記は、いずれも無償もしくは無償に近い状態であることが条件です。

寄与分に時効はある?

以前は寄与分の請求に時効はありませんでした。
しかし、2023年の民法改正により「相続の発生から10年以内」と請求に時効が設けられるようになりました。
10年を過ぎると、寄与分は考慮されず遺産分割することになります。
そのため、寄与分を受け取りたいとお考えの場合は、早めに税理士などに相談して進めていくことをおすすめします。

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相続人以外でも寄与分を請求できる?特別寄与料とは

相続人以外でも寄与分を請求できる?特別寄与料とは

寄与分が認められるのは、原則として相続人だけでした。
しかし、相続人以外の方でも被相続人に寄与行為をおこなっていたケースは珍しくありません。
そこで、2019年に施行されたのが「特別寄与料」です。
ここでは、特別寄与料とはどのような制度なのか、また注意点について解説します。

特別寄与料とは

特別寄与料とは、相続人以外の親族が被相続人の財産の維持や増加に貢献した際に、その寄与行為に対して金銭を請求できる制度です。
以前は、相続人のみが寄与分の請求ができていたため、相続人の妻が被相続人に寄与行為をしていても寄与分は認められませんでした。
しかし、民法改正により2019年7月以降に発生した相続からは、相続人以外の親族の方でも請求可能になりました。
ただし、寄与分を主張できるのは「親族」に限られるため、内縁の妻や知人、友人などは請求できないため注意しましょう。

特別寄与料の注意点

特別寄与料では、いくつか注意すべき点があります。
受け取りをお考えの場合は、あらかじめ注意点を把握しておくとスムーズに請求できるでしょう。
1つ目は、特別寄与料は療養看護などの労務を提供した場合のみに限られる点です。
そのため、金銭出資型は対象外となるため注意しましょう。
2つ目は、特別寄与料の請求には期限がある点です。
期限は「相続の開始および相続人を知ってから6か月」もしくは「相続開始の時から1年」です。
通常の寄与分の請求と異なり、期限が短いため注意しましょう。
3つ目は、相続税が2割加算される点です。
特別寄与料により受け取った財産に対しては、それに課される相続税が2割加算されます。
これは、配偶者や子、親以外の方が遺産を受け取ったときのルールが適用されるためです。

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まとめ

寄与分とは、被相続人の財産の増加や維持などに貢献した場合に、法定相続分以上の財産をプラスすることができる制度です。
また、2019年の民法改正により、相続人以外の親族の方でも「特別寄与料」として主張できるようになりました。
ただし寄与分を請求するには、いくつかの要件を満たす必要があったり、請求期限が決まっていたりするため、あらかじめ確認しておきましょう。
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