2023-03-27
土地や建物などの不動産は、平等に分けにくい財産です。
そのため、分割方法を巡って相続人同士でトラブルになったり、遺産分割の話し合いがまとまらなかったりすることもあります。
不動産を相続する際には複数の遺産分割方法がありますが、今回はそのなかのひとつ「代償分割」について解説します。
メリットやデメリット、遺産分割協議書の書き方もまとめましたので、高知市、南国市、香南市、香美市、土佐市で不動産を相続する予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、相続における代償分割とはなにかを解説します。
代償分割とは、特定の相続人が不動産を取得し、ほかの相続人に代償財産を支払う方法です。
たとえば相続した不動産に2,000万円の価値があり、相続人がAさんとBさんの2人だったとします。
不動産をAさんが相続した場合、AさんはBさんに対して1,000万円を支払うのが代償分割です。
代償財産の金額は、民法が定める法定相続分をベースに算出します。
代償分割に向いているケースとは、下記のような場合です。
相続した財産が土地や建物しかなかったり、資産価値のある財産が少ないケースも珍しくありません。
そのような場合は、代償分割を用いれば公平に分割しやすくなります。
また、相続人の数が多いほど、遺産分割協議が長引いたり平等に分割しにくくなったりします。
しかし、代償分割を選べば、土地や建物といった不動産でも平等に分けられるでしょう。
ただし、先述したとおり代償分割とは不動産を相続した方が、ほかの相続人に対して代償財産を支払う分割方法です。
そのため、十分な資金がないと利用するのが難しくなります。
代償財産とは、お金や代償金相応の財産のことです。
不動産を相続した方に、代償財産を支払う余裕がなければ、代償分割は難しいでしょう。
代償分割以外にも、相続時は下記のような遺産分割方法があります。
現物分割とは、不動産や現金、自動車など、財産の性質を変えずにそのまま相続することです。
たとえばAさんが不動産、Bさんが現金、Cさんが自動車という風に、現物のまま分割します。
換価分割とは、相続した財産を売却し、売却金を分けることです。
不動産を売却し、経費などを差し引いて3,000万円残った場合、それぞれ1,000万円取得します。
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続いて、相続で代償分割を用いる際のメリットとデメリットを解説します。
メリットとしてまず挙げられるのが、共有名義になるのを防げることです。
相続した財産のなかに不動産がある場合「とりあえず共有名義にしよう!」とするケースも珍しくありません。
共有名義にしてそれぞれが持分を所有すれば、平等に分割できます。
しかし、共有名義にすることは、下記のようなトラブルを招く恐れがあるため注意が必要です。
共有名義の不動産は、処分したり活用したりしたいとき、共有者全員の同意が必要です。
共有者と疎遠になっている場合や、月日が経ち所在地が不明になっている場合でも、連絡を取らなくてはなりません。
また、相続が繰り返され、相続人が増え続けてしまうリスクも生じます。
不動産という財産を残しておけることも、メリットのひとつです。
換価分割の場合、不動産を手放すことになるため、住みたいと思っても戻るのが難しくなります。
代々受け継がれてきた不動産なら、守り続けたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
代償分割なら財産を手放さずに済むのがメリットです。
メリットとして、公平に分割できることも挙げられます。
先述したとおり、代償分割は代償財産の支払いによって公平に分割しやすいのがメリットです。
遺産分割では、相続する財産の割合によって不満が生まれることもあります。
代償分割なら不満が生じにくくなるため、相続人同士の関係性も良好に保てるでしょう。
評価方法でトラブルになる可能性があるのが、デメリットです。
民法では、評価方法が定められておらず、どのように評価するのかは相続人同士の話し合いによって決まります。
不動産の評価には、公示価格や固定資産税評価額、路線価や不動産鑑定などさまざまな方法があります。
代償分割における評価には、分割時の時価が用いられるのが一般的です。
しかし、不動産は数百万円や数千円といった大きな金額となるため、評価額をめぐりトラブルになることがあります。
遺産分割協議書の書き方によっては、代償財産を受け取る側に贈与税が発生する恐れがあります。
そのため、代償分割をおこなう際は遺産分割協議書の書き方に注意が必要です。
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最後に、相続で代償分割をおこなう際の遺産分割協議書の書き方とポイントを解説します。
遺産分割協議書とは、誰がどの財産をどのくらいの割合で取得するのかをまとめた書面です。
そのため、相続発生時に有効な遺言書がない場合にも作成します。
不動産を代償分割する際は、遺産分割協議書にその旨を記載することが大切です。
もし、代償分割で遺産分割する旨が記載されていない場合、代償財産が贈与と見なされる可能性があります。
贈与と見なされてしまうと、代償財産を受け取った側に贈与税の支払い義務が生じるため注意が必要です。
遺産分割協議書には、下記の内容を記載するのが一般的です。
不動産相続時、相続財産だけでなく、代償財産の受け渡しも相続税の課税対象となります。
代償財産を支払った側と、受け取った側それぞれの相続税の計算方法は下記のとおりです。
代償財産を支払った側と、受け取った側で税金の負担が変わってきます。
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代償分割とはなにか、メリットやデメリット、遺産分割協議書の書き方を解説しました。
不動産という分けにくい財産を相続した場合、代償分割によって公平に分割できる可能性があります。
だだし、メリットだけでなくデメリットや注意点もあることを事前に確認しておきましょう。
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