2024-10-16
相続が発生し遺産分割が終わらないあいだに、身内で新たな相続が発生してしまうことがあります。
これは「数次相続」と呼ばれ、通常の相続と異なる点が多いため、事前に注意点や手続き方法を把握しておくと良いでしょう。
そこで、数次相続とはなにか、注意点と手続き方法について解説します。
高知市、南国市、香南市、香美市、土佐市で不動産を相続する予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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不動産相続では、「数次相続」と呼ばれる相続が発生することがあります。
ここでは、数次相続とはなにか、また代襲相続との違いについても見ていきましょう。
数次相続とは、亡くなった方の相続の手続き中に、身内である相続人が亡くなり、その方の相続が新たに生じることをいいます。
たとえば、年齢の近いご夫婦が立て続けに亡くなるようなケースが該当します。
具体的な例でいえば、妻が亡くなり相続が発生し遺産分割が済まないうちに、配偶者である夫が亡くなり相続が開始されるようなケースです。
このように相続が2回以上発生している相続を「数次相続」と呼び、二次相続、三次相続と呼びます。
始めに発生した一次相続の相続人が亡くなった場合は、本来その相続人が受け取る予定の相続分を二次相続が引き継ぐといった形になります。
遺産分割をおこなわずに放置していると、このような数次相続がさらに増えてしまう可能性があるため注意が必要です。
しかし、このようなケースは必ずしも珍しいケースではありません。
数次相続とよく混同されてしまう相続方法に「代襲相続」があります。
数次相続は、遺産分割協議が済む前に相続人が亡くなり新たな相続が開始するという状態です。
一方で、代襲相続は、生きていれば相続人だった方の子どもが代わりに相続人になることをいいます。
つまり、両者の大きな違いは、亡くなった順番です。
代襲相続は、被相続人が亡くなる以前に相続人が亡くなっている場合に生じる相続です。
一方で、数次相続は、被相続人が亡くなったあとで、かつ遺産分割協議が終わる前に相続人が亡くなった場合に発生します。
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続いて、不動産相続で数次相続が発生した際の注意点を解説します。
数次相続は、決して珍しいケースではないため、注意点についてはしっかりと把握しておきましょう。
通常は、相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知った翌日から10か月以内と決められています。
しかし、数次相続により申告前に亡くなってしまった場合は、始めの一次相続で相続税を申告しようとしていた方の死亡を知ったときから10か月以内と、申告期限が延長されます。
ただし、申告期限の延長が可能なのは、一次相続・二次相続ともに相続人になる方だけです。
一次相続で相続人ではなく、二次相続で相続人になった方の場合は、期限は延長されず本来の10か月以内のままのため注意しましょう。
一次相続において、相続税の申告と納税義務がある方がなくなった場合、その義務はその方の相続人となる方に引き継がれます。
たとえば、父が亡くなり、配偶者と長男、長女で相続の手続きをしている途中で長男が亡くなり、数次相続が発生したとします。
長男の相続人が妻と父からみた孫2人だった場合、本来長男がするはずだった申告と納税義務は、長男の妻と孫に引き継がれるというわけです。
このように、数次相続が生じると、相続権だけでなく申告や納税義務も引き継ぐことになるため注意が必要です。
相続では、被相続人(亡くなった方)の遺産をすべて相続することになります。
しかし、借金が明らかに多い場合は、相続人が自己負担となるケースも多いため、負担が大きくなります。
そこで、遺産を一切放棄できるという「相続放棄」をする権利が相続人には与えられているのです。
数次相続でも、この相続放棄を選択することはでき、相続放棄をすれば初めから相続人ではなかったものとして扱われます。
たとえば、一次相続と二次相続の両方を相続放棄することも可能です。
また、一次相続は相続放棄し、二次相続は相続するという選択もできます。
ただし、注意しなければならないのは、二次相続を相続放棄して一次相続のみを承認することはできない点です。
なぜなら、二次相続を放棄した時点で初めから相続人ではなかったと扱われるためです。
そのため、一次相続の相続についても相続することができなくなるため注意しましょう。
なお、相続放棄する際は、相続が開始されたことを知った日から3か月以内に家庭裁判所にて手続きをしなければなりません。
この期間を過ぎてしまうと、相続放棄できなくなり、相続を承認したと見なされるため注意が必要です。
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最後に、数次相続が生じた場合の手続き方法とその流れを解説します。
手続きは、一般的には以下の流れでおこないます。
それぞれ流れに沿って見ていきましょう。
遺産を分ける協議をおこなう際は、相続人全員が参加しなければなりません。
そのため、まずは相続人は誰が該当するのか戸籍謄本で調べ確定させます。
とくに数次相続の場合は、一次相続と二次相続で相続人が違うため、両方の相続人を調べる必要があるため注意しましょう。
なお、亡くなった方の配偶者は常に相続人となり、それ以外の血族関係の親族は、以下の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
なお、第一順位の相続人がいない場合は、次の第二順位の方が相続人となり、第二順位もすでに亡くなっている場合は、第三順位の方が相続人となります。
相続人がすべて確定したら、次は遺産分割協議をおこないます。
遺産分割協議では、誰が何をどのくらい相続するのか話し合います。
話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成しますが、数次相続の場合は、一次相続と二次相続が混同しないようにそれぞれ作成しておくのがポイントです。
同じ協議書にまとめてしまうと、混乱を招いたりトラブルになったりする可能性があるからです。
相続財産のなかに不動産がある場合は、所有者を変更する手続きである「相続登記」をおこなう必要があります。
原則として、まずは一次相続の相続登記をおこなってから、二次相続の相続登記をします。
ただし、数次相続では中間の相続人が1人だけの場合に限って、1回の申請で登記を完了させることが可能です。
これは「中間省略登記」と呼ばれており、この場合は省略した登記分の登録免許税は不要になります。
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数次相続は相続の手続き途中で、新たな相続が発生することを指し、老夫婦が立て続けに亡くなるようなケースが考えられます。
複数の相続が同時期に発生してしまうため、相続人を確定させる際は注意が必要です。
また、申告や納税義務が引き継がれる点や、申告期限が変更となる点も多いため、事前に確認してから進めるようにしましょう。
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