2024-02-27
相続時に法定相続人には、最低限の取り分を主張できる「遺留分」が確保されています。
ただし、遺留分に不動産が含まれている場合は、相続人同士でトラブルになりやすいため注意が必要です。
そこで、遺留分とはなにか、不動産評価額の決め方や決まらないときの対処法について解説します。
高知市、南国市、香南市、香美市、土佐市で不動産を相続する予定がある方は、ぜひ参考になさってください。
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被相続人が特定の方に相続させたい場合、生前に遺言書として残しておくことができます。
そうすれば、相続人は遺言書に沿って遺産分割をおこなうことになります。
しかし、遺言書の内容に納得がいかない場合、相続人によっては「遺留分」を請求できる可能性があるのです。
ここでは、遺留分とはなにか、また取得割合について解説します。
遺留分とは、法定相続人が得られる最低限の取り分のことです。
この遺留分は、被相続人の意思にかかわらず保障される取り分になります。
つまり、遺言書で指定されていなくても、最低限の遺産は相続することが可能というわけです。
遺留分が受け取れるのは、兄弟姉妹以外の法定相続人で、配偶者や子、孫、親、祖父母です。
では、遺留分を請求したい場合、どのくらいの財産を取得できるのでしょうか。
遺留分の基準となるのは法定相続分です。
法定相続分とは、民法で定められている相続人の相続割合のことです。
法定相続分は、相続人と被相続人との続柄によって決まります。
遺留分はこの法定相続分の半分と考えておくと良いでしょう。
ただし、父母や祖父母の直系尊属のみが相続人となった場合は、法定相続分の1/3となります。
法定相続分と遺留分の主なケースは以下のとおりです。
遺留分は、財産の価額に遺留分割合と法定相続分を掛けて計算します。
たとえば、財産が2,000万円、法定相続人は配偶者と子1人のケースを想定して計算してみましょう。
この場合は、配偶者と子は以下の計算式で計算することができます。
このケースであれば、配偶者と子は250万円までの遺留分を請求することが可能です。
ただし、相続財産のなかに「不動産」がある場合は、相続開始時の価格が算定基準となります。
不動産の評価については次項でご説明します。
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相続財産のなかに不動産が含まれている場合は、遺留分を計算するために不動産の価値を算出しなければなりません。
不動産の評価方法は1つではなく複数あり、かつ評価方法によって不動産価値が異なるため、最終的にはどの方法を採用するか相続人同士で話し合って決める必要があります。
ここでは、遺留分を計算するために必要な不動産評価額の調べ方を4つ解説します。
固定資産税評価額は、不動産の固定資産を算出する基準となる評価額のことです。
建物の場合は、この固定資産税評価額を基準に計算することもできます。
固定資産税評価額は、市区町村から送られてくる「課税明細書」や、市町村や都税事務所で入手できる「固定資産評価証明書」で調べることができます。
路線価は、贈与税や相続税の税額を計算するために用いられている基準の価額です。
路線価は、道路ごとに定められており、その道路に面する土地の面積1㎡あたりの価格を表しています。
毎年1月1日に土地価格が発表されるため、国税庁のホームページで確認することができます。
地価公示価格は「地価」や「公示地価」と呼ばれることもあり、国土交通省が公表している土地価格のことです。
2人以上の不動産鑑定士によって評価され、土地鑑定委員会が審査し地価公示価格が決定します。
一方で、地価調査標準価格は、都道府県が発表している土地価格のことです。
地価公示価格と評価基準方法はほぼ同じですが、異なる地域や時期で調査するため、補完的な役割があります。
これらの価格は、国土交通省のホームページの「土地・不動産・建設業」から閲覧可能です。
実勢価格とは、実際に不動産取引がおこなわれた価格のことです。
不動産ごとに取引価格が異なるため、統一された基準がないのが特徴です。
これらの価格は、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」や、不動産取引情報提供サイトの「レインズマーケットインフォメーション」で調べることができます。
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前述したように不動産の評価方法は複数あり、どの方法を用いるかによって遺留分の金額が異なります。
遺留分を受ける側は、できるだけ高い評価をする方法を選ぶでしょう。
一方で、請求される側は、少しでも評価額を下げたいと思うでしょう。
そのため、不動産評価額が決まらないといったケースも珍しくありません。
ここでは、不動産評価額が決まらないときの対処法を解説します。
主な対処法は以下の3つです。
それぞれの対処法を解説します。
相続人同士の話し合いで決まらない場合は、利害関係のない不動産鑑定士に依頼してみましょう。
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する国家資格を所有しています。
そのため、公平かつ適正な金額を算出してもらえるでしょう。
家庭裁判所の調停や訴訟を利用して不動産評価額を決める方法もあります。
調停を申し立てする場合は、相手方の住所地がある家庭裁判所でおこなうのが一般的です。
また、調停で解決しない場合は、訴訟の申し立てをおこなうことになります。
裁判官が最終的な判断を下し、遺留分侵害額を判断します。
ただし、必ずしも請求通りの金額になるとは限らないため注意しましょう。
相続人以外の第三者である弁護士に依頼する方法もあります。
弁護士は法律的観点からアドバイスできるため、話し合いが進まない場合に有効な手段といえるでしょう。
また、弁護士であれば相続人に関する手続きなど、全般の代行をおこなってもらうこともできます。
相続や遺留分に関するトラブルを回避したい場合は、早いうちから弁護士へ相談すると良いでしょう。
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遺留分は、相続時に法定相続人に保障されている最低限の取り分のことです。
ただし、遺留分に不動産が含まれていると、不動産評価額の決め方で相続人同士でトラブルになりやすいため注意が必要です。
相続人同士の話し合いでスムーズに決まらない場合は、不動産鑑定士や裁判所、弁護士などに依頼して対処することをおすすめします。
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